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日本は大丈夫?
日本の普通国債の残高は順調に増加し、2009年度末(2010年3月)にはGDPの120%を越えようとしています。
グラフ1 http://mpse.jp/tkymail/c.p?32c2b2j1eyN
グラフ2 http://mpse.jp/tkymail/c.p?52c2b2j1eyN
2000年以降は建設国債はほぼ横ばいですが、税収の穴を埋めるために発行される特例国債(赤字国債)は急増、いまや、建設国債よりも残高が大きくなってしまいました。さらにグラフ2に示されているように、実際の政府債務にはこの普通国債だけでなく、財投国債や政府短期証券、借入などもありますから、さらに膨らんで180%を超えてしまっています。
さて、グラフ1に戻って長期のトレンドをみると、普通国債残高の対GDP比率は1965年度以降徐々に増加したのですが、バブル経済のころは税収好調で一時的に低下しています。しかし、それ以降は、小渕政権による景気対策等の拡張的財政政策が続いた結果、デフレで名目GDPがほぼ横ばいで推移する中、国債残高だけが急増してしまいました。ここまで増加すると、残高を増やさないようにすることすら難しい水準になってしまっているようです。
1999年以降の日本の決算の数字を御覧下さい。
(2009年は二次補正後、2010年は当初予算の数字です。)
グラフ3 http://mpse.jp/tkymail/c.p?72c2b2j1eyN
グラフ4 http://mpse.jp/tkymail/c.p?92c2b2j1eyN
歳入の方を見ると、税収はおよそ40兆円そこそこ、10兆円程度のその他の収入を加えても、つまり全歳入金額から公債金を引いたものですが、それは平均して50兆円そこそこがです。
一方で一般歳出と地方交付税を合わせると、毎年60兆円は必要で、2009年は83兆円、2010年も71兆円の予算が組まれています。足りない分は国債を発行するしか無いのですが、こんなことを続けていたらどこまでも国債残高が膨らんでしまいます。しかも国債費20兆円の半分は利払いの為で、残りの10兆円分しか国債償還には使われて
いないのが現状ですから、ほんとに大変です。
では、国債の残高を管理可能な水準に下げる方法はあるのでしょうか?
普通に考えれば、収入を増やすか、支出を減らすしかありません。支出を減らす場合は、各費用項目を比較検討した上で、重要度の低いと思われる項目を削ることになります。収入を増やす場合は、消費税や所得税の税率を引き上げる増税が一般的な手段です。現在の経済環境においてはどちらの方法も景気の更なる悪化を招いてしまいそうで
難しいですね。
あとは、日本全体の収入を増やすことで税収増を図ると言う考え方があります。民主党は年率3%の名目GDPの成長を目指すとしているようです。2009年度の名目GDPを480兆円とすると、3%ずつ成長すると、5年後には556兆円、10年後には645兆円にまで名目GDPが増加します。
税収がおよそGDPの10%程度で税収以外の収入がおよそ10兆円とすれば、5年後には景気が平常時に戻っていれば公債金を除く歳入が65兆円程度見込めますから、国債費を除く歳出金額と均衡する可能性がありますね。(この状態がプライマリーバランス、基礎的財政収支均衡という状態ですね。)
ただし、このような状況になると金利があがるでしょうから、利払い額が増加して国債費が増加してしまうかもしれないですね。国債の残高を減らせるようになるにはさらなるGDPの上昇が必要でしょう。
この解決策の最大の問題は、名目GDP3%成長と唱えるだけで、具体的な道筋を未だ示していない民主党政権ですね。
日本国債と世界経済の関係
先週のライブ版で為替介入でマネーが何故増加するか質問をいただいたのですが、そのときの説明では分かりにくかったと思いますので、簡単に整理しました。
【Q】中国が元と米ドルの連動を続けると、中国内で元を多く供給
しなければならない理由がよくわからないです。
【A】 政府・中央銀行がドル買い介入をする場合、ドルを買うというオペレーションだけを するわけにはいきません。対価として、円なり人民元なりの自国通貨を支払わな
ければなりません。そして、為替介入の際の取引相手は市中銀行ですから、支
払った自国通貨がその国のマネーに加わります。ここで、中央銀行がそのマネー
を吸収する市場操作をしなければ、マネーサプライは増えたままになります。
例えば日本銀行の行ったドル買い介入の場合は、1999年以前は日本政府が外為特会で政府短期証券を発行しそれを日本銀行が引き受けて、その円資金を売ってドルを買いました。したがって、その分日本銀行のBSが増加し、市中の円キャッシュ(つまりマネー・サプライ)も増加します。これを非不胎化介入unsterilized interventionと言います。
2000年以降は政府短期証券を市中に売却しつつ、ドルを買うようにしましたので、政府短期証券の売却で吸収される円とドル買い介入で供給される円が相殺しあうので、マネーサプライは増加しません。これが不胎化介入sterilized interventionと言われているものです。
中国はどうやら以前の日本のように、ドル買い介入の対価として市中に放出した人民元をほとんど吸収していないようなので、介入した分がそのままマネーサプライ(現金なのでハイパワードマネーですね)の増加に繋がってしまいます。
為替介入の効果を高めるためには以前の日本や現在の中国の方法が良いようです。つまり、円や元のマネーサプライを増やすことで、金融緩和効果が発生し、その分自国通貨安に誘導しやすくなると思われるからです。
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